梅干し作り
2年前に亡くなった叔母が、生前に送ってくれた梅干しも残り僅かになりました。ご飯の主役級のおかずとはいえばいけれど、特に夏の暑い日は梅干しを使った料理を作ったり、勿論そのまま食べて「すっぱ～い」と顔まで梅干しみたいにくしゃくしゃにしながら、いつも楽しみに食べていたのですが、この前残り僅かになった梅干しを眺めていて何となく不思議な気がしました。
これを作ってくれた人はもうこの世にはいないのに、叔母が作った梅干しは2年経った今もこんなに美味しくて、わたしの食卓を豊かにしてくれているんだな、と。わたしを可愛がってくれた叔母との思い出を振り返り、叔母の愛情のみならず、手作り(つまり無添加)食のありがたさにまで思いを馳せました。
そんなことがあってわたし、今年生まれて初めての梅干し作りに挑戦しております!
ネット注文した南高梅が届いたのは今週初め。
東京で生まれて東京で育ったわたしには、こうして梅をまじまじと眺めるのもほぼ初めての経験。大粒の完熟梅は桃のような甘いいい香りがするんですね。思わず一粒そのままパクっと食べてみたけど、やっぱり味は梅でした(笑 す、酸っぱい・・!
叔母より十年以上先に他界した母にも、梅干し作りなど教わったこともなかったわたしは、ネットをぐるぐる検索して、自分に一番合った作り方を見定め、それに添って仕込みを開始。
この日は台所が一日中桃のような甘い香りに包まれていました。嗅いでいるだけで幸せな気分になります。
この日の為に買っておいた粗塩。分量をきちんと計り、水洗いしてヘタを取った梅に豪快にまぶしていきます。梅干し作り名人の真似をして手でバサ、バサっとふっていたら、少し塩が袋から飛び出してしまいました(汗 名人芸を真似るのはまだ早い、初心者。
動画や人様のブログなどで見ていると、上手な人は慣れた手つきでぱっぱと各工程をこなしているのに、わたしはここまで作るのに何時間かかったことか・・。
でもこれが上手に出来たら、これから梅干し作りは、わたしの梅雨の間の楽しみの一つに加えたいと思っています。自分で作って自分で食べる。単純なことだけど、梅干しを見ると大好きだった叔母のことを思い出し、また食べることのありがたさを再認識出来る。そんな気がするのです。友人達やご近所の人達にもおすそ分けして、みんなで食べる楽しさ、なんてのもあります。
どうぞカビ生えませんように・・・・・(祈
因みにらっきょうも初めて漬けてみました。
出来上がりが楽しみです。
冬は干し柿と干し芋作りに精を出し、梅雨のじめじめした時期には梅干しとらっきょうを漬ける。どれもわたしの思い出の味ばかりです。今まではスーパーや八百屋さんで買うのが当たり前と思っていたわたしが、これからは自分で思い出の味を再現出来るようになる。都会の片隅で、うっとうしい梅雨の日にも気持が折れることなく、皆の喜ぶ顔を想像しながら、今日もせっせと梅を仕込むのです。叔母に食べさせてあげられないのだけが、心残りだけれど。
