ナツと過ごした日々
9月14日、ナツが永眠しました。
別れは余りにも突然で、飼い主は気持の整理が未だについていません。
悲しみも喪失感も言葉で言い表すことが出来ず、今も心の中はぐちゃぐちゃのままです。
ナツは14日の朝、止まり木から落ちて冷たくなっていました。
大事な大事な、本当にわたしにとっては特別な子だったのに、ナツの最期にわたしは間に合いませんでした。一人であの子を逝かせてしまったのです。人一倍寂しがり屋で臆病なナツは、最後の最後まで暗い部屋でわたしを探していたんじゃないだろうか。そんな思いが頭から離れず、自分を責める日々です。でもどんなに自分を責めても、後悔しても、ナツはもう二度と帰ってはきません。
今は、ナツとの9年に渡る思い出を綴るには悲しみが深すぎます。ただナツが落ちる前の晩、いつものように放鳥していた時に、ナツは空児のケージに入っていって一生懸命空児の羽繕いをしてあげていました。よりを戻したくて仕方がないナツは、ずっと空児の傍から離れませんでした。でも体調の悪い空児が毛布にくるまって眠ってしまうと、一人残されたナツはぽつんと立ちつくしていました。その後ろ姿がとても寂しそうで、たまらなくなってわたしが名前を呼ぶと、ナツは悲しそうな目でわたしの方に振り返りました。泣いているようなナツの振り向いた時の表情が、今も強く脳裏に焼き付いています。
あの夜、ナツを鳥部屋からわたしの部屋へ連れてきて、話しかけながら一緒に眠ればよかった。寂しい時ナツはいつもわたしの傍から離れずに、ずっと甘えてくれていたのに。そうしたところで、ナツの運命に変わりはなかったとしても、一人でなんか逝かせたくなかった。
後悔だらけです。
ナツの死因は分かりません。でもナツが失意の中、夜中に一人苦しんで逝ってしまったんじゃないか。その思いを打ち消すことが、今のわたしには出来ないのです。
ナツ、ナツ、ナツ
戻ってきておくれ。
バアチャンを置いてこんなに早く、逝ってしまわないでおくれ。
これまで見送ってきたどの子の死も、辛く悲しかったことに変わりはありません。
でもナツの死は、5年前にお★さまになったハル子に次いで耐え難く、現実をありのまま受け入れることが辛いです。いつかはこの悲しみが薄れていって、ナツと過ごした幸せな日々が、あたたかい記憶として残る日が来るでしょう。でもそれはまだ、先のことになりそうです。
今はナツの死が、たまらなく悲しいです。