三度目の正直
まさかの三度目が起きました。
いえ、起きかけました。
丁度一週間前のことです。
朝、小鳥たちを起こしに鳥部屋へ行くと、椿が顔と足から大出血しているのを発見。
ケージの何処かに足の指を挟んでしまったようでした。
椿は右頬からも出血していました。
不慮の事故が怖くて、どの子のケージもレイアウトはシンプルにしているつもりなのですが、それでも起きる時は起きてしまうんですね。
痛々しい椿の姿です。わたしが発見した時は、椿はケージの中を落ち着かない様子で動き回っていました。ショックと痛みでじっとしていられない風でした。
右足の指は、爪が一本千切れていました。
わたしはこの日、歯医者さんと、海外から来ていた友人に会う約束を急きょキャンセルして、椿を連れてまたもや獣医さんに駆け込みました。
先生がすぐに止血をしてくれました。それでも今後12時間は、歩くだけで少量の出血が続くことが予想されるので、とにかく徹底的な保温と安静をと、念押しされました。不幸中の幸いで、椿の頬の傷は見た目ほど酷くはなく、かすり傷でした。でも千切れた爪はかろうじて指に付いている程度。実際こちらの出血の方が酷く、獣医さんに連れて行くまで止まりませんでした。
コム、ペン子と不幸が続いた直後のことです。わたしのショックも限界越えでしたが、苦しくて痛みと闘っているのは椿本人です。大怪我をしてから三日間は、わたしの部屋のこたつで保温をし、椿を傍に置いて見守りました。
先生の止血は、いつもより念入りでした。そのおかげで椿の出血はすぐに止まり、心配していたその後の12時間も、一度も出血することなく過ぎました。そのまま今日現在に至るまで、一度も出血はしていません。
椿がケージから居なくなって、おうが餌を食べなくなってしまいました。
おうを椿と一緒に水槽に入れてみたら、二人はくっついて離れません。
二人とも、余程寂しかったのでしょう。
でも椿もおうも餌をよく食べるようになってくれたのでホッとしました。
小さなケージ(本当はキャリーですが)に一度、椿とおうを移してみましたが、椿はまだ金網につかまるのが難しく、足を引きずっていました。すぐにまた二人を水槽に戻しました。
きょうだい達に椿を励まして貰おうと思って、部屋に連れてきました。椿はお兄ちゃんやお姉ちゃん達の姿を見ると安心するようです。水槽越しにみんなの方へ寄ってきて、おうと二人でピヨピヨ鳴いていました。
お見舞いなどそっちのけで遊んでいるお兄ちゃん達でしたが、聞きなれた声や姿が見えるだけでも、椿は嬉しそうに見えました。
特にイッチョのいつものダミ声お喋りが始まると、椿は嬉しそうに水槽の中で飛び跳ねていました。
椿の大怪我から5日が経った頃から、やっとわたしも椿の回復を確信できるようになってきました。千切れた爪はもう、伸びてこないかも知れませんが。
まだ爪のつけ根がもろいので、みんなと一緒に放鳥はさせてあげられないけれど、椿はおうと一緒に毎日よく食べ、よく眠っています。
さんざんな事が続いた後なので、これ以上楽観的な事は今は書けませんが、大怪我をした日から一週間。椿は今日も生きています。