circaのインコ日記ヽ(^。^)ノ

インコ大好き、鳥大好き人のブログ

生体販売業界の是非

Change.orgという署名サイトから、わたしは時々メイルを受け取ります。キャンペーンの内容を読んで、それが自分の生活と直接関係がない問題だとしても、大抵わたしは署名をします。保育園問題でも、辺野古の問題でも、何でも。でも今日届いたキャンペーンの内容はいつものように「はい、署名します」と、二つ返事が出来ませんでした。

 

内容は『ペット販売業界に生体販売反対の想いを伝えていきませんか』というものです。動物を店頭販売しているペットショップの利用をボイコットしましょうという趣旨のキャンペーンです。勿論これは、悪質なペットショップのことを言っているのでしょうが、わたしの頭には、去年暮れに店主が高齢のため閉店した馴染みのペットショップや、こんぱまる等、ちゃんとしたお店のことも、同時に浮かんで来たのです。つまり、生体を販売しているペットショップの全てがダメなのかと言うと、わたしの答はノーなのです。

 

犬でも猫でも小鳥でも、店頭(店内)のショーケースに入れられた動物を見ると、可愛いと思うより先に、可哀想にと思うのはわたしも同じです。でも、生体を販売しているペットショップの全てが悪質な訳ではありません。現実には、残念ながら悪質な業者の方が目立つのも事実なのですが。そのキャンペーンでは、生体に値段を付けることにも異を唱えているのですが、無償の譲渡というのは考えようによっては、動物の命が粗末に扱われるリスクをはらんでいるものです。具体的な話を、我が家が40年以上お世話になったペットショップのおじさんから聞いたことがあります。それも、このキャンペーンにイマイチ賛同出来ない理由の一つなのです。

 

鳥の世界で言えば、例えば珍しい羽色の個体を生ませるために、滅茶苦茶な交配をさせているブリーダーがいる、という話を聞いたことがあります。時には血縁同士で交配をさせる場合もあるとか。希少価値の高い個体を作り出す陰で、先天性の障害を持った子が生まれることもあるし、そうした子の多くは、悲惨な末路をたどります。犬や猫の世界では、もっと残酷で悲惨な現実があると、猫好きの友人から聞いたこともあります(ちゃんとしたブリーダーだって、世の中には沢山いるんですけどね。一部の心無い人達というのは、どの世界でもとにかく目立つものです)。

 

少し話がそれましたが、だとすれば、店頭で生体を販売しているペットショップには全てノーと言い、動物はブリーダーさんか保健所からお迎えしましょう、という呼びかけは、はなはだ疑問な訳です。確かに、きちんとしたブリーダーから可愛い動物の赤ちゃんを譲渡して貰って、家族の一員として生涯幸せに暮らしていければ、それに越したことはありません。でも、わたし自身もそうなのですが、動物と暮らしたいと思う人の大半は、柴犬が欲しいとか、オカメインコが欲しいとか、「この種の子と暮らしたいな」という希望もあると思うのです。飼う側の希望に合った子が、いつも必ず保健所にいるとは限らないし、ブリーダーが飼育しているとも限らない。里親募集のサイトに載っているとも限らないのです。どの種でもいいと妥協出来ればいいですが、この種には特別な愛着がある、という人も多いでしょう。以前飼っていた子との幸せな思い出があって、次にお迎えする時も、どうしてもこの種がいいと言った風に。これは、わたし自身にも言えることなのですが。わたしにとってボタンインコというのは、まさにそういう存在だったのです。

 

という訳で話が長くなりましたが、わたしは今回のキャンペーンに関しては、やはり署名出来そうもありません。キャンペーンを立ち上げた人の気持に賛同出来る部分も多いんですけれど。渋谷の繁華街やホームセンターなど、恐ろしく場違いな所で売られている動物達がいます。夜遅くまでこうこうと白色灯に照らされて、まるで見世物のように陳列されている子猫や子犬、小鳥の雛などを見ると、むしょうに憤ってしまうのですが、こうした生体の販売法については、今は法律で多少なりとも改善されています(それでもわたしは直視出来ませんが)。

 

動物を飼わないという選択肢が、本当は一番理想的なのかも知れません。でも現実問題、それは不可能です。わたしも含め、飼いたいと思う人は大勢いるのですから。動物と暮らしていると、大変なことも辛いことも沢山あります。でもそれ以上に、お金では買えない喜びや幸せを、わたし達人間に与えてくれるのです。人間にはない豊かさだとか愛情深さを、動物は持っています。ペットショップやブリーダーの、どちらが是でどちらが非だという議論よりも、どういうルートで動物をお迎えするにせよ、飼う以上はきちんと最後まで面倒を見るというのが、一番大事なことだとわたしは思うのです。だって人に飼われた動物の殆どは、野生には戻れないのですから。この子を精一杯幸せにしてあげようという飼い主の気持が、意識が、一番大事なんじゃないでしょうか。と、誰よりもまず自分自身に問いかけ、気を引き締め直しながら、この日記を書いています。だってわたしは決して、いい飼い主ではないのです。

 

署名こそ出来なかったけれど、今回のキャンペーンは、わたしに色々なことを考えさせてくれました。飼い主としてのおごりを顧みると同時に、動物達を取り巻く過酷な現実を、今一度思い起こさせてくれたことは事実です。

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