元(ハジメ)
元(ハジメ)は、ナツのお嫁さんです。
正確には、お嫁さんでした。
ハジメは、今は天国にいます。
2008年、ショップからお迎えした時のハジメです。目が大きくて、とても甘えん坊な赤ちゃんでした。よく食べてよく眠って、大きな女の子に成長しました。
内気で友達のいなかったナツがある日、ハジメと出会い
恋をしました。
ナツとハジメは仲のいいつがいになり、幸せに暮らしていました。
けれど、その幸せは長くは続きませんでした。
ハジメには生まれつき、内臓疾患があったのです。
ハジメの長い闘病生活が始まりました。
冬は、ハジメの身体を冷やすことが一番よくないと獣医さんに聞いて、わたしの部屋のこたつの中で、ナツとハジメは過ごしました。
それでも体調のいい時はこたつから出て、ハジメはわたしの部屋で遊ぶのが好きでした。
ハジメが遊ぶと、ナツも遊びます。
ナツはいつも、片時もハジメから離れようとしませんでした。
ハジメの体調は一進一退でした。
こたつの中でハジメの看病ばかりしているナツを、よく外に出して遊ばせました。
でもナツは、すぐにこたつに戻ろうとしました。
ハジメがいないとナツは、いつも不安そうな顔をしていました。
寒い冬でした。
そして春を待たずに、ハジメはいってしまいました。
ナツの悲しみは深く、見ていられないほどでした。
この写真を撮ったことを、わたしは今でも後悔しています。
小鳥たちの写真を撮るのが大好きなわたしも、この一枚だけは、今見ても辛くなります。
それでも時は流れ、春が来て、花が咲きました。
ナツの悲しみは少しずつ、癒えていくように見えました。
ナツは、空児と出会いました。
新たな恋の始まりです。
そしてこの二羽の間に7羽の雛が生まれたのが、2年前の冬でした。
ナツはお父さんに、空児はお母さんになりました。
~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~
ハジメと過ごした短い時間。
ハジメはわずか4歳で、お★さまになりました。
ハジメと過ごした幸せな時間は、今でも忘れることが出来ません。