circaのインコ日記ヽ(^。^)ノ

インコ大好き、鳥大好き人のブログ

毛引き症の小鳥たち

ナツの毛引き治療が始まって一週間ちょっとが経ちました。

 

我が家の、他の毛引き症の子たち同様、一週間やちょっとじゃ目に見えるような変化というのはありません。他の子たちと同じように、かなりの長期戦を覚悟して、毎日ナツと接しています。年単位、下手をすれば一生の付き合いになるかも知れないと思っています。それが毛引き症だと思っています。

 

ナツの興奮状態も続いています。興奮状態と呼んでいいのか分からないけれど、わたしが毛引き症になった個体と接していていつも思うのは、まず手乗りでベタ慣れだった子は、手に乗らなくなります。勿論、ベタ慣れなどという関係からもほど遠くなり、わたしを避けるようになります。

 

これは飼い主であるわたしにだけではなく、例えばつがいでいる子の場合だと、お嫁さん(お婿さん)にも一切関心を示さなくなります。毛引きの子は何らかのストレスを抱え込んでいるので、どんなに仲のいいペアでも、病気が進むと相手の存在がうっとうしく感じるのか、とにかく一人でいることを好むようになります。ナツも投薬治療を始めてから、お嫁さんの空児を別のケージに離しました。初めは必死で、隣のケージに移された空児を見つめていたナツでしたが、今は顔を合わせても、空児に対して何の反応も示しません。

 

我が家の毛引き症の子は皆こんな風に、つがいの相手に対して無関心になります。

 

f:id:circax:20150113121955j:plain

以前アップした写真ですが、たとえばこれは風太(写真奥:ルリコシの男の子)とウゴ(写真手前:コバルトの女の子)のペアです。今年の初めまで、2羽はこんな風に仲良く暮らしていました。でもウゴが毛引きを始めてからは、ウゴの興奮状態と攻撃性が増してしまい、風太はお腹の羽をバッサリ噛みちぎられる始末。風太の身の安全も考慮して、もう半年以上別居状態です。放鳥時は今も、2羽で仲良く羽繕いなどして遊ぶのですが、一緒のケージに戻すと、ウゴの興奮は5分と経たずにピークに達してしまい、風太に襲いかかってしまいます。

 

f:id:circax:20141225000556j:plain

コム(写真左:コバルトの男の子)とウリ子(写真右:ルリコシの女の子)のペアも同様です。性格の大人しいウリ子は、コムの傍を離れたがらず、コムの毛引きが始まった後も暫く一緒にしておきました。でもある時から、コムの精神的ストレスは、ウリ子といても軽減されていないことに気付き始めました。コムが毛引きだけではなく自咬を始めたのです。それでこのつがいもまた、今は別々のケージで暮らしています。

 

コムも今は、自分のお嫁さんには目もくれません。まるでウリ子に対する興味を完全になくしてしまったかのようにそっけないです。でも代わりに自咬は治まり、今は毛引きもしなくなってきました。そればかりか、お腹に少しずつだけれど、産毛が生え始めてきたのです。

 

f:id:circax:20150811120538j:plain

たかがこの程度ですが、コムにとっては大きな進歩です。痛々しい写真ではありますが、これが毛引き症の現実です。

 

f:id:circax:20150811112423j:plain

ナツもこの通り一人でいますが、以前より少しリラックス出来ているようです。寂しそうにも見えるのですが、毎日ナツを観察していると、この子が見せる、ちょっとした態度や仕草の変化が、かつて重症の毛引きを患ったくまモンのそれと、そっくり同じだということに気付いてきました。常に気が立っている、それが今のナツです。

 

f:id:circax:20150811120716j:plain

ナツはこんなことを、言いたいのかも知れません。

 

 

くまモンの毛引きは、今は亡きカン助のそれに次いで酷く、一時はくまモンの死をも覚悟した程でした。

 

f:id:circax:20150811112923j:plain

くまモンの毛引き当時の写真が何故か見つからないので、くまモンがヒナだった2011年春の写真をくっつけます。当時は成長と共に、日に日に羽が伸びてふさふさになっていっていた頃です。

 

でもその数年後毛引き症を発症して、それが悪化した時のくまモンも、大体このヒナの頃と同じような風貌でした。風切り羽はもっと残っていて、自分で飛ぶことは出来ましたが、背中~お腹、脚、全ての羽を、産毛ごと全部引き抜いてしまったくまモン。いつもイライラしていました。常に嘴を神経質そうにキュリ、キュリ、と鳴らしていて、わたしが手を差し出すと、わたしの指をガリガリと本気で噛んでいました。くまモンの心の中を覗き見ることが出来ないわたしは、くまモンの気が済むまで指を噛ませていました。怒るくまモンと毎日遊びました。噛まれても噛まれてもくまモンを叱らず、「くまモンは辛いんだね」と言い続けました。

 

痛々しい姿の小さなくまモンを見ているのは辛かったけれど、怒っているくまモンと接することには、何の苦もありませんでした。その気持は今のコム、ウゴ、ナツ、大ちゃんに対しても同様です。

 

当時は獣医さんに言われた通り、くまモンの家での様子を短い動画に撮ったり、写真を撮って記録に残し、定期的に先生の所へ行ってそれらを見せていました。今どうしてもそれらが見つからないので、その頃の写真が見つかったら、くまモンのヒナの頃の写真と差し替えますね。

 

f:id:circax:20150811113929j:plain

ヒナの頃からヤンチャ坊主だったくまモン。実姉のペンペンをいつもいじめていました笑 いつもくまモンが一方的にペンペンに喧嘩を吹っかけていくのだけれど、ペンペンはくまモンの唯一無二の友達になってくれました。性格が穏やかでやさしいペンペン。ペンペンの存在が、後にくまモンの重度の毛引き症を治すきっかけになってくれたのです。やはりこういう時、人間のわたしは無力です。小鳥は小鳥同士の方が、分かりあえるんですね。ペンペンは怒るくまモンにいつも寄り添って、くまモンと一緒に遊んでくれた、ただ一人の友達でした。

 

重症な毛引きが奇跡的に治り、今は首周りの羽を時々少し抜くくらいで、くまモンの毛引き症は驚く程改善しました。我が家の毛引き症の小鳥たちの中で、くまモンのケースは例外中の例外です。こんな嬉しい誤算もあるんですね。

 

f:id:circax:20150811121212j:plain

くまモンの綺麗なオリーブ色の羽は、今はこの通り元に戻りました。くまモンはもう、嘴をキュリ、キュリ、と鳴らしません。ペンペンをいじめることもしません。そして以前のように、わたしの手に乗ってくれます。今は2羽で、仲良く一緒に暮らしています。

 

f:id:circax:20150811115544j:plain

大ちゃんも軽度ですが、この数カ月で毛引きをするようになってしまいました。大ちゃんは高齢なせいか、興奮したりイライラしたりすることは余りありません。先生と相談した結果、大ちゃんは失明した目の治療だけ継続して、毛引きについては今は経過観察中です。

 

f:id:circax:20150811121430j:plain

今は天国にいる、カン助です。

今でも時折、カン助を救えなかった後悔がよみがえってくることがあります。でも、カン助が残してくれた子供たち - イッチョ、勇者、オウの中に、時々カン助の面影を見ることがあります。カン助の分身たちが元気でいてくれること。それが今はとても嬉しいです。

 

f:id:circax:20150811130829j:plain

奇跡のような、嬉しい誤算を期待するのは難しいかも知れません。

でもくまモンのように、コムもウゴもナツも大ちゃんも、毛引きが少しずつ改善してくれることを願いながら、わたしも自分に出来ることをあれこれ模索する毎日です。

 

そしてどんな姿になっても、小鳥たちを愛おしいと思う気持は、以前と何ら変わりません。わたしが神経質になれば、小鳥たちはそれを察します。だから気楽に構えて、今までと変わらない態度で、この子たちと接しています。